上腕二頭筋

 

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上腕二頭筋

上腕二頭筋長頭~


起始:関節上結節、上方関節唇
停止:前腕の橈骨粗面、前腕屈筋腱膜
神経:筋皮神経(C5~C6)
作用:肩関節屈曲、肘関節屈曲、前腕の回外


肩関節前面では、上腕骨の表層に上腕二頭筋腱が走行する。上腕二頭筋長頭腱は、結節間溝を通過し、肩関節包内に侵入し、関節上結節に付着する。


肩関節外旋位になると、上腕二頭筋長頭腱は上腕骨頭の上方を滑走する。そのため、上腕二頭筋の表層には、上腕横靭帯が存在する。上腕横靭帯は肩甲下筋の停止から続く結合組織である。


上腕横靭帯が肥厚すると、結節間溝部分での上腕二頭筋長頭腱の摩擦ストレスが強くなる。また、forward humeral headは、上腕骨頭が前方に位置することで、上腕二頭筋腱の部分でより強い摩擦ストレスが加わる。


結節間溝は近位部では溝の形状が狭い三角形になっており、遠位部では広い四角形になっている。このような形状から、結節間溝には摩擦ストレスが生じやすい。


上腕二頭筋腱は腱鞘に包まれることで、摩擦ストレスを緩衝しているが、その腱鞘に炎症が生じたり、腱の肥大・変性が生じたりすることがある。


上腕二頭筋長頭腱が肥大していると、結節間溝内に入り込めず、肩関節挙上時に烏口肩峰アーチの深層で腱が折れ曲がって関節内で挟み込まれる現象(hourglass biceps)が、関節鏡視下の所見として知られている。