棘下筋
今日は棘下筋について書いてみます。最近の研究では棘下筋の付着部が棘上筋の停止部を覆うように付着しているといわれており臨床上、重要な筋とされています。
~棘下筋について~
起始:肩甲骨棘下窩
停止:上腕骨大結節の中関節面
神経:肩甲上神経(C5~C6)
作用:肩関節外旋
棘下筋は、肩甲骨棘下窩から幅広く起始し、外側方に走行後、肩峰下を通過し上腕骨大結節の中関節面に停止する。棘下筋上部繊維は棘上筋と混在するように付着する。
そのため腱板断裂等の肩関節疾患において棘上筋の作用が期待できない場合は棘下筋にアプローチを促すことで上腕骨頭の上方変位、または前方変位を抑える働きがあるといわれている。
棘下筋の疼痛誘発テストとしてexternal rotation lag signがあげられる。
判定基準としては自動運動で他動運動の可動域まで動かすことができない場合を陽性とする。
機能的意義としては肩関節外旋運動に関与する筋は棘下筋と小円筋であり棘下筋は小円筋より大きく、肩関節外旋により強く貢献していると考えられる。自動運動と他動運動の差は、その可動域を動かす筋力の弱さにあるため、外旋運動における自動運動と他動運動の差を確認する必要がある。
注意点としては特異度は1.00であり検査が陽性の場合は損傷があると考えてよいが、感度が0.7であるため損傷があっても陰性になる可能性がある。そのため陰性の場合でもMRIやエコーの所見を確認する必要がある。
臨床において解剖学の知識は必要になってきます。
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