肩甲下筋

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~肩甲下筋について~


起始:肩甲窩下
停止:上腕骨小結節
神経:肩甲下神経
作用:肩関節内旋

 

肩甲下筋は、肩関節前面で最も深層に位置する。起始部では6つの筋束に分かれ、近位から1~4筋束は肩甲窩下から起始し、5・6筋束は肩甲骨外側縁より起始する。


肩甲下筋停止腱の最近位部では、小結節の上外側面に舌部と呼ばれる薄い腱性組織が伸びている。舌部は関節上結節から起始した上腕二頭筋が結節間溝に至るまでの通路を、烏口上腕靭帯や上関節上腕靭帯とともに形成されていると考えられている。


また、肩甲骨外側縁から起始する筋束は、停止部近傍まで筋束が多く残っており、柔軟性に富んでいる。そのため、下部筋束の拘縮が生じると外転、外旋運動が制限される。


肩前上方の痛みに対する評価戦略として、力学的ストレスから考えると、伸長ストレス、圧縮ストレス、摩擦ストレスに大別される。


上腕骨頭が臼蓋に対して外旋運動を行うとき、肩関節前面には伸長ストレスが加わる。上腕骨頭の外旋が制限されている場合や肩関節前面の軟部組織の伸長性が低下している場合、肩関節前面への伸長ストレスは増強する。


上腕骨頭の外旋運動では、上腕骨頭は後方に転がり、前方に滑ることになる。そのため肩甲上腕関節の外旋や、上腕骨頭の後方への転がり、前方への滑りを増強させた際に、疼痛が増強するかを確認する。


伸長ストレスにより疼痛が生じている場合には、肩甲下筋と腱板疎部に由来する機能障害を疑う。

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